なーさんCafe

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うつ休職中公務員。人生もがき中。超内向型。

手術に挑む夢の話

短編ドラマのような夢を見た。

生きるか死ぬかの手術に挑む患者の夢。

 

とにかく泣いていた。

序盤から最後まで泣きっぱなしだった。

手術をしなければ死ぬ。

でも手術が失敗すれば死ぬかもしれない。

そもそも脳を切り開くなんて怖すぎる。

(何の病気かは分からないけど、脳を切り開かないといけない手術だった。)

でも死なないためには、

そのリスクと恐怖と戦って、手術を受けるしかなかった。

 

もう10年ファンをしている、イケメン芸能人が出てきた。

恋人未満か婚約者未満か、

この夢の中では親しい間柄らしい。

彼は、

死なないためではなく、生きるために、

危険を冒してきた人だった。

危険を冒さなくても生きてはいける。それでも、

''自分''を生きるために、

覚悟を持って危険に飛び込んできた人。

そんな彼には、

死なないために手術を受けることは、

そこまで恐ろしく感じないみたいだった。

彼と話す中で、逃げ場はないことを実感していった。

 

顔も声も分からない人たちに囲まれて、

手術の日までの日々を過ごす私。

何も起こらない日々。

周囲の人たちとの話も、なかなか入ってこない。

それでも、なんとなく、

見守られていることは分かる。

特別応援したり助けたりするわけではない。

でも、自分で立ち上がるのを、

じっと見守ってくれる人たちがいる。 

 

覚悟が決まらない私を、手術の日程が追い詰めていった。

手術直前、なぜか手術場所までたどり着けない私。

場所の記憶が曖昧なうえに、

体力のない私にはたどり着けそうのない遠い場所。

 

私は号泣しながら、

このせいで死ぬんじゃないかってくらい必死の思いで

知り合いのところまで全力で走る。

大柄で力持ちで思いやりのある彼女なら

私を手術場所まで連れて行ってくれる。

そう信じて全力で走っていった。

そして私は、彼女に助けを求めて、力尽きる。

その場に倒れこんで号泣する私を

彼女はおぶって走り出した。

 

彼女におぶられながら、

近くで打ちあがる花火を見た。

花火の、銃声か爆弾のような大きい音がこわくて、

普段ならその音を間近で聞くと震えあがってしまう私も、

その時は平気だった。

きれいな花火を見て、悲しくなった。

 

やっと、手術を受ける施設の建物までたどり着く。

その時には、

いつの間にか私の覚悟は決まっていた。

手術を受ける。

近くの人に手術場所をたずねる。

場所をたずねてたずねてたずねまくる。

私の必死さと今にも死にそうな姿を見て、

みんなが必死で場所を伝えてくれる。

そして執刀室の前の待合室では、

いつも見守ってくれてた人たちが私の到着を待っていた。

 

執刀室に入ると、

担当医や看護師たちが準備万端で座っている。

私は、そこで立ち止まり、

患者用のイスを見つめる。

もうやるしかない。

イスに座り、うなずく医師を見て、私は目を閉じる。

………

……

 

 

 

 

またイケメン芸能人が出てきた。

前に話した時は、冷静で、遠くにいるような存在だった彼。

でも今は、

彼は微笑んでいた。

私の近くで、心を寄り添わせながら、微笑んでくれた。

これでやっと、一緒に生きていけるね

そう言ってくれているような気がした。

 

 

 

この夢はきっと、

私の今の人生を象徴した物語。

手術を受ける覚悟が決まらない、情けない自分に、

心の中の小さな私が、喝をいれようとしているのかもしれない。